超音波検査
サイン集

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parallel channel sign
〔肝内胆管(写)、肝左葉外側区域の胆管と門脈、閉塞性黄疸〕
拡張した肝内胆管が並走する肝内門脈枝とともに平行線状に描出されます。

penetrating duct sign(duct penetration signと同義語)
〔腫瘤形成性慢性膵炎〕
膵管穿通徴候のことです。慢性膵炎に急性炎症が加わる場合に、限局して炎症が起きると膵癌とまぎらわしい腫瘤像を呈します。この場合、腫瘤内部を主膵管が断裂することなく貫通している所見がみられれば、腫瘤形成性の慢性膵炎と判断されます。膵癌ではみられないため両者の鑑別に有用です。

playboy bunny figure
〔うっ血肝〕
肋骨弓下走査で拡張した中肝静脈(MHV)および左肝静脈(LHV)がplayboy bunnyの耳(figure)に類似してみえることから呼ばれます。うっ血肝では肝静脈の怒張のためにこの所見が観察されます。

portal sandwich sign(periportal hypoechoic layerと同義語)
〔肝臓、突発性門脈圧亢進症〕
突発性門脈圧亢進症(IPH)でみられ、内腔が狭小化し肥厚した肝内門脈枝(高エコーに描出)の周囲を取り囲むように低エコー帯が観察され、肝硬変との鑑別に重要です。高エコーは器質化血栓を含む狭小化した門脈枝を反映しています。外側の帯状の低エコーは門脈枝周囲のグリソン鞘の浮腫状の拡大や線維化およびその内部の多数のリンパ管様脈管を反映しています。食道静脈瘤や脾腫がみられ肝機能が良好な場合に、このサインがみられればIPHを疑います。原発性胆汁性肝硬変や肝硬変ではまれな所見です。

Posterior echo enhancement
〔肝嚢胞(写)、腎嚢胞(写)、肝細胞癌、肝血管腫〕
腫瘤の後方の音響が周囲実質に比べて増強することをいいます。
肝細胞癌では腫瘤内部の方が周囲の肝実質よりも超音波の減衰が少ないために観察されます。

pseudokidny sign
〔進行大腸癌、進行胃癌、消化管の悪性リンパ腫〕
消化管壁の全周性の肥厚像が腎臓の超音波像に類似することから称されます。周囲の壁肥厚像は低エコーに、中心部の内容物(便、ガス)や粘膜像は高エコーとして描出されます。
一方、レントゲンの注腸造影でみられる全周性の狭窄像をapple core signと呼びます。他にはtarget pattern(sign)とも呼ばれます。

pseudo parallel channel sign
〔急性アルコール性肝炎、アルコール性肝硬変〕
拡張した肝動脈枝と肝内門脈枝が並走して描出され、あたかも閉塞性黄疸のときにみられるparallel channel signのようにみえることから呼ばれます。
本症はカラードプラ検査により容易に鑑別可能です。アルコール性肝炎の約85〜90%にみられるとの報告もあります。
もう一つの意味として、下右肝静脈と右門脈後下区域枝が並走するための呼称でもあります。

pseudo-tumor sign(focal spared lesionと同義語)
〔脂肪肝、胆嚢周囲、肝左葉内側区(S4)〕
脂肪肝でみられる限局性の低エコー領域が、腫瘤とまぎらわしいために表現されています。

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